熱の伝わり方は3種類!しっかり理解して対策をしましょう

今回は断熱の基本でもある『 熱の伝わり方 』についてお話しします。
基本は伝導・対流・放射の3つです。

それぞれの現象とお住まいでの対策の仕方についてお話しします。

熱伝導

熱伝導率のいい銅製ポット

よく耳にするのは「熱伝導率がいい」という言葉じゃないでしょうか。

すぐに温まりやすい銅製ポットは喫茶店などで見かける方も多いのではないでしょうか。

熱伝導は熱が物質を介して運ばれ伝わる事です。

金属を代表するように熱の伝わりやすい物を良導体、木材みたいに伝わりにくい物を不導体と呼びます。

調器具はこれを上手に利用していて持ち手には木材、調理する部分は金属になっています。
物質の種類によって伝導率は変わりますが、形状によっても変わってきます。

気体よりも液体、液体よりも固体という順番です。
サウナ 気体の熱を利用

サウナに入れる人は居ても、90℃前後の沸騰前のぐつぐつしたお湯に触れられる人はそう居ないですよね

火傷じゃすまない状態になります。

住まいでの対策

直接触れることで熱が移動するのが熱伝導です。

壁や窓も物質だと考えればアルミの窓やガラスは良導体ですので、プラスチックや樹脂、ビニールなどの方が熱伝導率が悪い不導体になるので、そういったものを窓に貼る対策や内窓のように樹脂や木で出来たものを付けて2重にすることが対策になります。

では木材や紙で出来ている壁は?と思うのですが、同じ不導体の物を2重にするか、化学物質の断熱材を使う事になります。

対流

対流は言葉で聞くと難しく聞こえますが、温度差によって気体が移動する事で熱が移動する事です。

液体や気体は温められると膨張し密度が小さくなるので上昇します。

周りの低温のままの方は密度が重い状態になるので下に流れ込むようになって循環していきます。
焚き火 対流で温かくなる

例えば焚き火。

風も無く天気のいい日では煙が真っ直ぐ勢いよく上っていきます。

これが対流の現象で温められた空気は上に上がりその場の空気が薄くなり周りの空気が焚き火のほうに空気が集まってくるので『 よく燃える 』というイメージになります。

自然であれば海風や陸風、季節風なども対流の影響です。

住まいで起こる対流

昔の家

住まいの場合で考えてみましょう。

住まいではエアコンを使う場合は機械で強制的に対流を作り冷房は上向き、暖房は下向きに動くことで循環させたり、石油ストーブやオイルヒーターなどを熱源として部屋を暖めたりします。

ここで対流が起きるんですが、隙間が多い家ではどうなるでしょうか。

暖かい部屋に向かい冷たい空気が対流によって運ばれてきます。

それは隙間風となってせっかく暖めた部屋に入ってきて直接風を感じ事もあります。

冷たい空気は下に暖かい空気は上に上がっていき底冷えもしますし、暖かい空気が隙間から部屋の外に逃げてしまいます。

住まいでの対策

壁の隙間や、窓・出入口の隙間は極力無くす事が対流による寒さを防ぐ事になります。

塞がっているかは部屋のドアを開けるときに重く感じますし、空気を取り入れるような音もします。

気体液体状になっていると密度も小さくなりますので、冬場は加湿状態にする暖かく過ごしやすいとおもいますが、隙間を塞いで暖めた部屋にある空気は加湿状態でもありますし、空気の入れ替えが出来ていない状態ですのでしっかりと換気もして下さい。

換気扇を使う場合熱を逃がしたくない場合は熱交換が可能な換気扇に取り替える必要があります。

熱放射で暖かくも暑くもなるんです。

太陽 熱放射は電磁波によって熱が動く事で、輻射熱とも言われています。

熱放射は電磁波によって熱が動く事で、輻射熱とも言われています。

当たり前かもしれませんが太陽が出てる日は暖かいですよね。

約6000度と言われる太陽の表面温度が伝わっているのではなく電磁波によって熱放射で伝わっています。

電磁波は物体に当たる事で熱が伝わり、発生します。

放射熱を使っている家電が電子レンジです。

放射熱を利用した住まいの断熱は?

温かいストーブ ストーブから熱伝導でやかんに熱が伝わりやかんの中の水が温められ対流し蒸気が上に上がっていきます。

ストーブから熱伝導でやかんに熱が伝わりやかんの中の水が温められ対流し蒸気が上に上がっていきます。

熱放射でストーブから離れた距離でも暖かいですよね。

近づけば空気が対流しているのでさらに温かいです。

ですが、触れて伝導対流放射の3つが揃うと火傷します

放射で対策をするのならオイルヒーターやペレットストーブなど輻射熱で温かくしたり、窓ガラスの種類を断熱仕様のガラスに交換すると家の中の熱を放射熱で逃がしてしまう事を防ぎます。

冬のイメージが強いですが、断熱を考えるのは冬だけではありません。

熱の伝わり方を考えてしっかりと対策していきましょう。