中古住宅を見学する際におさえておきたいポイント

中古住宅の見学には、事前の下調べや準備が必要になることは言うまでもありません。

これから住むことになる町や地域について調べるのはもちろんのこと、住宅に関する資料は全て、見学する前に取り寄せておくようにしましょう。

それでは、中古住宅を見学する際のチェックポイントと持っていくと便利なものもご紹介します。

中古住宅を見学する際に持っていくと役に立つもの

中古住宅を見学する際には、筆記用具だけではなく、以下のようなものを準備して持っていくと役に立ちます。

必要に応じて持参するようにしましょう。

①図面・周辺環境のわかる地図

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見学には不動産会社の方が一緒なことが一般的ですから当日持参する必要はないと思いますが、図面はできれば事前に入手して見ておきましょう。

見学では、窓の向きが図面通りか、南側といっても実際にどの程度日差しが入るのか、風通しはどうかなどを確認しましょう。

住宅の周りだけでなく、周辺もわかる大き目の地図(もちろんスマートフォンの地図アプリがあれば十分です)があると便利です。

駅までの距離や学校やスーパーの位置を確認することができます。

公園などの公共施設についても知っておくと、住み始めてから不便に感じることを減らすことができます。

②メジャー・スケール

見学で家の中を見るときはメジャーがもあると便利です。

DIYで使うワンタッチ式のスチール製のメジャーなどがよいでしょう。

手の届かない高い場所も測ることができます。

窓やドアの大きさ、特に大型の家具を搬入する予定の方は開口部の大きさに注意しましょう。

動線に十分なスペースがあるか、実際に動きながら計測します。

③カメラ

どんなによく見ているつもりでも、同行していない家族にも見せて相談したいといった場面でどうだったか正確に思い出せない、という場合もあるでしょう。

カメラやスマートフォンで複数の方向から撮影したり、動画などを撮影するとよいでしょう。

その際、注意することがあります。

中古住宅の場合は見学時点で売主さんが住んでいる場合があります。

撮影をしたい場合は、撮る前に売主さんの許可を得ることを必ずしましょう。

押入れの隅や天井など昼間でも薄暗い場所を撮影するには懐中電灯などで照らして
撮影をするとわかりやすいです。

また、住宅の外観や室内の天井など高い場所を見るには双眼鏡があると便利です。

室内のチェックポイント

室内を見学する際には、間取りや広さだけではなく、これから快適に住める家であるかをチェックしましょう。

入念にチェックをすることで購入してから必要になるリフォームなども検討がしやすくなります。

床のチェック方法

床が水平かどうか確かめるために、ビー玉や小さなボールを持って行くと良いでしょう。
※もし売主さんが見学の場にいる場合は、気分を損ねることもありますから、気づかいはお忘れなく。

最近ではスマートフォンのアプリで水平かどうかを測定する機能もありますからそういったものを使うのもよいでしょう。

床の修繕は根本的な解決がしづらいトラブルのひとつです。

暮らしに使われた住宅ですからまったく傾きのない物件は少なく、多少はあるものですが、傾きの程度がおおきな場合は修繕を要する可能性が高い物件かもしれません。

壁・天井のチェック方法

壁に亀裂がある場合、クロスが表面的に裂けた程度であれば張替えなどのリフォームで解決できますが、壁自体に亀裂が入っている場合は注意が必要です。

また、雨漏りの箇所や他と色の違う場所がないかもチェックが必要です。

気になったことは細かいことでも不動産会社に確認するようにしましょう。

 あと、押入れや水周りの周辺にカビ痕がないかにも注意しましょう。

押入れの奥などは暗くて見にくい場所ですが懐中電灯で照らして確認しましょう。

浴室や脱衣所の壁や天井、洗面台の物入れ、トイレなども同様です。

カビは一度内部に侵入すると完全に取り除くことが難しく、アレルギーなど家族の健康被害の原因になる場合もあります。

建具・動線のチェック方法

壁や天井に亀裂やシミはないかもチェックしましょう。

建具のチェックは、実際に動かして確認しましょう。

襖やドアの開け閉めがスムーズか、傾きはないかを見ます。

玄関を入って台所へ行く、玄関からリビングへ行くなど、実際に家に帰ってきてからの動きを順にやってみたり、脱衣所へ入ってお風呂へ入る、台所からリビングへ行くなどシーン別に実際に動いてみたりして、生活動線に気になることはないかを確認します。

また、動線にある建具や床、柱などの劣化や汚れ具合も気にしておきましょう。

コンセントや照明スイッチのチェック方法

コンセントや照明のスイッチの位置の確認も大切です。

実際にどこに家具を置くか、家電を置くかを想定しながらチェックしていきましょう。

大きな家具を搬入する予定があるなら、家具の大きさを測っておくと大きさをイメージしやすいです。

窓周辺のチェック方法

窓周辺にカビの痕がみられる場合は慢性的な結露があったと考えられます。

窓自体は新しくリフォームできますが、もしも窓周辺の壁の内側まで結露していた場合は構造部の腐食も考えられます。

水や電気の設備チェック方法

電気や水道が使えるようなら、台所、トイレ、お風呂で水を流してみましょう。

水漏れや蛇口に不具合はないか、水の出は十分かを確認します。

外側のチェックポイント

建物全体の強度にも関わる、外壁や基礎、屋根、外構などのチェックも重要です。

外壁や基礎にひび割れはないかを必ず確認しましょう。

素人目にはわかりにくく、判断が難しい場合が多いのですが、換気口などの開口部にひび割れが集中している場合は要注意です。

少しでも不安に感じるようであれば、不動産会社に尋ねてみましょう。

また、建物自体の強度に不安を感じるようであれば、建築士などの専門家による建物調査を受けることもできます。

基礎の傾きにも注意が必要です。

目で見て明らかに傾いている場合、家の中は基礎以上に傾いている可能性があります。

基礎が傾いているからといって、その住宅が安全ではないというわけではありませんが、なぜ傾いているのか、原因を知っておく必要があります。

軒や軒裏も重要なチェックポイントです。

屋根から雨水の侵入の可能性をたしかめるのに重要ですから、軒裏に水のシミや漏水の後がないかを確認しましょう。

軒下に鳥や小動物が出入りするような穴がないかも確認します。

屋根裏を見ることのできる構造であれば、自分で屋根裏を確認できれば安心です。

玄関口までのアプローチや駐車場の確認もしておくとよいでしょう。

ひび割れや汚れだけでなく、水が溜まりやすい構造になっていないか、水はけはどうか、駐車場から外へ出る時の見晴らしや外から駐車場へ車を入れる時の目視のしやすさを確認します。

特に小さいお子さんがいらっしゃる場合、外へ出る時のアプローチは重要になります。

周辺状況も確認しよう

離れた場所であっても、大きな建物が建設される予定があると日当たりに影響があるかもしれません。そのような場所がないかも確認します。

周辺状況の確認は、電車やバスの公共機関を利用する場合と自家用車を利用する場合、両方の場合を想定して確認しましょうす。

自家用車を利用する場合は、道幅や学童の通学路か、危ない交差点はないかを確認します。

公共交通機関を利用する場合も、駅やバス停からの所要時間はわかっても、朝夕の道路渋滞など周辺の状況は実際の生活時間帯に使ってみたり歩いてみたりしなければわからないものです。

時間や曜日を変えて町の様子をチェックすることも有効です。

 人通りや街灯の有無、交通量、自転車の利用が多いか少ないか、自転車を利用する家族がいる場合は駐輪場の様子も確認します。

お子さんが通学路に利用する道路は特に重要です。

その他、郵便局や銀行などの施設やスーパー、コンビニ、病院までの距離や行きやすさも重要になります。

地図を見ながら住宅の周辺を実際に歩いて、周辺の状況を確認しましょう。

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見にいく物件がある市役所などのホームページなど公開されているハザードマップが入手できれば、地盤や浸水・地震の時の状況も事前に確認しておきましょう。

そのうえで、雨の日に見学することで、住宅の周辺の道路などに水たまりのできやすい場所や水はけの悪い場所がないかを確認することができます。

その他、郵便局や銀行などの施設やスーパー、コンビニ、病院までの距離や行きやすさも重要になります。

地図を見ながら住宅の周辺を実際に歩いて、周辺の状況を確認しましょう。

昼間だけでなく、朝夕の通勤時間や夜の状況もチェックしておくと安心です。

時間や曜日を変えて町の様子をチェックすることも有効です。

中古住宅はチェックしておかなければならないポイントが多くあります。

その、ほとんどが物件に実際に足を運ぶことでしかわからないことです。

見学前に下準備をして、自分たちの目で見て、触って、動かして確認しましょう。

気になることがあれば、不動産会社や売主に確認するようにします。

住宅周辺のことは、一度ではわからないものです。

大変なことですが、大きな買い物ですので、慎重すぎるということはありません。

時間や曜日を変えて町の様子をチェックするようにしましょう。