段差解消リフォームの必要性と費用相場

高齢に差し掛かった両親と同居する場合、あるいは将来自分たちが高齢になったときのために家の中の安全対策をしておくことが大切です。

そのため、近年ではバリアフリーリフォームも注目を集めています。

その中の一つである、段差解消リフォームについて詳しく紹介していきます。

段差解消リフォームの必要性

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ご高齢の方の場合、段差や階段を登ったり下ったりする際に、自分では十分に足をあげているつもりでも想定よりも上がっていないことがあり、転倒してしまう可能性があります。

さらに危険なのが「ちょっとした」段差です。

大きな段差であれば意識的に足を上げることができますが、意識しないと気づけないほどの小さな段差ほど転倒のリスクがあるため、安全な暮らしをするためにも家の中の段差の箇所は最小限にしておく必要があります。

転倒してけがをしてしまわないためにも、家の中の危険な段差を把握するとともに、段差解消リフォームを検討してみることがおすすめです。

段差を解消するとよい場所は?

段差解消リフォームを優先的に実施すべき箇所ですが、まずはご高齢の方の利用頻度の高い場所を優先した方が良いでしょう。

寝室や浴室、トイレなどの水回りへは1日に何度も行き来します。

この部分に段差があると、どうしても転倒リスクが高まります。

また、活動的な方で散歩など外出する機会が多ければ、玄関の段差も解消しておいた方が安心です。

目に見えて大きな段差は解消する必要があると、だれもが考えるでしょう。

しかし、実際にはちょっとした段差ほど転倒やつまずきが起こるケースが増加します。

特に2cm程度の段差が最も転倒リスクが高いというデータも出ているほどです。

「この程度の段差であれば大丈夫だろう」と決して油断せず、家の中の段差をすみずみまでチェックしておくことが大切です。

段差解消リフォームの費用相場

段差解消リフォームを計画するにあたって、やはり気になるのは改修に必要な費用の相場でしょう。

段差解消リフォームといっても、その方法はいくつかあります。

どの方法をとるかによって費用も変わってきますので、リフォーム会社と話し合いながら今の住宅に合ったリフォームを行いましょう。


【 段差をなくすリフォームの場合 】

部屋に敷居があると、これに躓く転倒リスクがどうしても付きまといます。

それを解消するため建具による間仕切りを解消し、敷居を取り除く段差解消リフォームがあります。

敷居を取り除き、周りの床と同じ高さの木を埋め込むことでフラットにします。

このリフォームを行う場合、だいたい2~15万円程度が相場です。

ただし施工方法のほかにも、解消すべき段差の数によって費用は異なります。


【 スロープを設置して段差解消 】

玄関や門戸の敷居の段差解消リフォームの場合、比較的大掛かりな工事が必要になります。

段差を解消するための費用を抑えたければ、スロープを取り付ける方法があります。

敷居など段差はそのままでその周辺にスロープを取り付ける手法です。

費用の相場は2~10万円程度です。

費用はどのような素材のスロープを取り付けるかによって違ってきます。

コンクリートやレンガ、石材、タイルなどがあります。

近年ではホームセンターなどでミニスロープが販売されています。

ちょっとした段差の場合、このミニスロープをDIYで取り付けることも可能で、その場合費用は材料費のみとなり安上がりです。

このスロープによって段差解消する場合、坂の上に乗ったときに素材によっては滑って転倒する可能性も出てきます。

場合によっては滑りやすくもなりますから、転倒リスクを低減するためにはスロープの上に滑り止めを貼り付けるのがおすすめです。

一緒にするとさらに安全性を高めることができるリフォーム

段差そのものをなくすことで、つまずいて転倒するリスクは減少します。

しかしプラスアルファの対策を講じると、さらに転倒リスクを低減できます。

例えば滑り止めを床に貼り付ける方法があります。

近年では滑り止め加工のアイテムの中にはデザイン性にこだわっているものも多いです。

シールで簡単に取り付けられるものもあります。

夜中トイレで目が覚めることが多い場合には、足元だけ明るく照明の設置もおすすめです。

周りが暗く、ちょっとした段差に足を取られる可能性も考えられるので、足元だけ明るく照らせば、周りの状況が分かり、うっかりつまずく危険性も減らすことができます。

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さらにこれは費用が若干かさみますが、手すりを取り付けるのもおすすめです。

もしつまずいたとしても手すりがあればつかまって、転ぶことを防げます。

特にトイレや浴室のような水回りの場合、床が濡れていることも少なくありません。

すると段差でつまずくほかにも、滑って転倒するリスクがどうしても伴います。

このようなすべりやすい箇所には手すりも念のため取り付ければ、二重三重に安全対策が取れますから安心です。

安全な家づくりができていると思っていても小さな段差は見落としがちです。

「まだ両親も元気だし大丈夫だろう」と油断はせず、早いうちから段差解消リフォームを少しずつ進めてみましょう。

急に必要になった際に多額の費用を一気に準備する必要もなくなります。

段差解消のようなバリアフリーリフォームは減税や助成金の対象になることも考えられますので、事前に調べておくことも大切です。