日本の住宅は遅れている!?


日本の住宅の断熱性能が「相対的に低い」という事はご存じですか?
先進国の欧州と比べればもちろんですが、実は日本と気候が似ているお隣の中国や韓国にも劣っているのです。
これらが遅れている原因は、「窓の断熱性能」の低さにあると言われています。


日本の窓の性能は最下位

ここで「世界の窓の断熱性能基準」を見てみましょう。
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熱貫流率 U値[W/㎡・K]
熱の伝えやすさを表す数値です。室内外の空気温度に1度の差があるとき、1時間に窓1㎡あたり通過する熱量を表します。
数値が小さいほど断熱性が優れています。

「ものづくり先進国」「超一流の工業国」とも言われる日本。
窓の断熱性に関しては世界と比較しても残念ながら最低レベルで「最下位」です。

日本で多く出回っている、アルミニウム製の枠 + 一重(単板)のガラスを使った窓のU値は「6.5W/㎡・K」と、かなり低性能な値です。日本の既存住宅5700万戸の8割以上を占める窓がこの性能値です。

窓の基準

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欧州は省エネや断熱の基準が厳しいですが、欧州だけが高基準というわけではありません。
お隣の韓国、中国でもしっかりと基準が設けられています。

東京・大阪相当の地域最低基準
韓国・・2.7W/㎡・K 推奨基準は1.6W/㎡・K
中国・・2.5W/㎡・K 近い将来、2.0W/㎡・K となる予定です。

世界の多くの国では窓の重要性がよく認識されいるので、U値に関して最低基準を設けています。
基準を満たさない窓が付いている住宅は、販売禁止されている国もあります。
しかし、今だに日本には最低基準が存在していません。


暑さ・寒さの原因

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健康的な生活を送るために家の断熱性能を高め、暖房や冷房を効果的に使うことが必要ですが、そこで重要なのが「窓」です。

窓などの開口部から出入りする熱の割合
冬・・・暖房の熱が逃げる割合58%
夏・・・冷房中に入ってくる熱の割合は73%



暑さの7割、寒さの6割の原因が窓と言えます。
寒暖差が大きい家ではヒートショックの危険が高くなり、日本では実際に亡くなられる方が非常に多いです。
世界では、家は暖かい・涼しい・省エネが常識です。日本のように家が寒すぎて亡くなるなどあり得ない事なのです。

つまり窓を高性能化することは、とても重要だと言えます。

「枠」の断熱性能

窓の断熱性能といえばガラスに注目してしまうかもしれませんが、現在ペアガラス(複層)やLow-Eペアガラス(低放射)など、ガラスはかなり一般化し、他国に比べても劣っていません。問題は「枠」の断熱性能です。

世界の樹脂窓普及率

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日本のサッシの大半がアルミの枠でできています。
アルミには「非常に熱を伝えやすい」性質があり、窓の断熱性に大きな影響を与えます。
世界的にはサッシの樹脂化や木質化は当たり前。アルミサッシが禁止されている国もあります。

樹脂素材の枠は、断熱・遮熱・気密性に非常に優れています。
窓の断熱性能を高めるために、「枠」の断熱性能を高める事はとても重要になってきます。

快適に過ごせる窓

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断熱性能の低い状況は放置、住む人の健康・快適性などは二の次な日本の政策ですが、日本の窓メーカーは窓先進国に追いつき追い越す意気込みで断熱性能の高い窓開発に努力を重ねています。

現在ではU値1W/㎡・K前後と、各社が世界に通用するのサッシを発表しています。

家の断熱性能を高め、省エネで健康・快適な生活を送るために「窓」にもこだわってみてください。
家族のためにも、環境のためにもいいと言えるでしょう。